
訪問美容を始めようと思ってるんだけど
税務署への手続きは必要なの?
訪問美容の道具は揃った、カットするお客様も見つかりそう!
これで準備はOK!と思っているあなた
ちょっと、待ってください。
税務署の手続きは、終わっていますか?
税務署…と聞くだけで、なんか難しいそうと思いますよね。
そんなあなたのために、極力簡単に説明していこうと思います。
目次
訪問美容師が開業のために必要な手続きとは?|税務署の手続き

開業した時の税務署への手続きは、2種類あります。
- 開業届を出す
- 青色申告承諾申請書を出す
開業届とは、個人事業を開業したことを税務署に伝える書類です。
青色申告承諾申請書とは、確定申告の方法(青色)を伝える書類で、青色申告を選んだときだけ必要になります。
今までサラリーマン(サロンからお給料を貰っていた)だった人は、既にお給料から税金が引かれて、振込されていましたが
雇い主がいないフリーランスの場合は、自分で「納税」の手続きをしなくてはなりません。
その納税手続きを「確定申告」といいます。
開業するなら最初に、開業届や青色申告承諾申請書などで確定申告を見越した手続きが必要ということです。
別記事で、白色申告と青色申告いずれの確定申告についても解説しています。


訪問美容の道具が準備ができたら|開業届について考えよう

開業届は、「私、事業を始めます」と税務署へお知らせする書類です。
事業を始めて1ヶ月以内に管轄の税務署へ提出が必要になります。
(管轄税務署は、こちらから確認できます。)
書類自体は、様式をダウンロードして自分で作成することも可能です。
ただ青色申告承諾申請書については、解読するのがやや難しいかなと思います。
今はクラウド会計ソフトで開業届や青色申告承諾申請書などは、無料で作成できます。
これから帳簿をつけていくことを考え、開業届を出すタイミングで登録してしまうのがおすすめです。
開業届を出すメリット
開業届のメリットは、2つあります。
- 青色申告ができる(65万円控除)
- 事業用の銀行口座を開設できる
中でも最大のメリットは、「青色申告承諾申請書」を出せば節税できることです。
では、具体的にどれくらいの金額の違いがあるのか見てみましょう。
所得金額 (収入ー経費) | 38万未満 | 38万以上〜 65万未満 | 65万以上 |
---|---|---|---|
確定申告 | 不要 | 必要 | 必要 |
開業届 | 不要 メリットなし | 罰則なし | 罰則なし |
開業届提出 (青色申告) のメリット | 無し | 青色申告申請書を 出せば 所得税0円 | 青色申請申告書 を出せば 節税できる |
開業届提出 (青色申告) のデメリット | 無し | 帳簿を作成する 必要がある | 帳簿を作成する 必要がある |
具体的な金額で考えてみましょう。
売上が年間100万円、経費が30万円の場合で計算してみます。
所得は「100万円ー30万円=70万円」となります。
さらに全員一律引かれる基礎控除(38万円)を引く
70万円ー基礎控除38万円=32万円
課税所得の32万円に対して税金がかかります。(所得税率5%)
32万円 × 5% =1.6万(所得税)
70万円 ー 32万円 ー 1.6万円 = 68.4万円
よって、手取りは、68.4万円になってしまいます。
所得は「100万円ー30万円=70万円」。
さらにそこから基礎控除と青色申告特別控除を受けることができます。
70万円ー基礎控除38万円ー青色申告特別控除65万円=0円(課税所得)
0円 × 5% = 0円
70万円 ー 38万円 ー 0円 = 70万円
よって所得税はかからない!手取りは、70万円のままです。
所得70万円程度であれば差はわずかですが、所得が増える程差が出ます。
青色申告をするかしないか判断する一つのボーダーラインは、
所得(収入ー経費)が基礎控除額の38万円を超えるかどうかです。
(家族がいる場合、条件によってボーダーラインは変わります)
青色申告すれば、税金が万単位で変わります。
ボーダーラインを超える売り上げが予測されるのであれば、青色申告するのがベターです。
一番心配なのは、この判断材料を知らずに簡単そうだから白色申告、と安易に選んでしまうことです。
結果、頑張って稼いだお金をあっさり捨てることになるかもしれません。
少し手間でも、自分の売上予測や家族構成を踏まえた上で判断し、開業届と青色申告承認申請を出すべきか判断しましょう。
青色申告でもっと節税できる
青色申告には他にもメリットがあります。
-
メリット
- 赤字の場合、3年繰り越しができる
- 家事按分(家賃・光熱費の一部を経費として計上できる)(白色も可)
- 扶養控除がつかえる
- 家族に支払った給与を経費として計上できる
- 複式簿記で確定申告をする必要がある
- 一度申請すると、白色申告には戻れない(白色→青色の変更は可能)
デメリット
事業を始めたばかりの頃は経費がかさみ、赤字が出やすいですが、その赤字を繰り越すことで翌年以降も節税することができます。
自宅と事務所兼用の場合、家賃や水道光熱費などを仕事で使用した割合で経費にすることができます。(家事按分)
奥さんや家族(生計を一つにする15歳以上)が訪問理美容を手伝っている場合は、給料を経費として計上できます。
白色申告でも「専従者控除」がありますが、青色は限度額がないのに対し、白色は限度額があります。
このように、青色申告でさらに節税することが可能です。
節税についての解説ページはこちらから。

美容師に簿記の知識は必要か

開業届を出すこと(青色申告)にメリットがあることはご理解いただけたと思います。
ただ、あなたが今駆られているのは…
えっ…「簿記」の知識っているの?
簿記がわからない場合、税理士さんと契約しなきゃいけないの?
と言う不安ではないでしょうか。
安心してください、大丈夫です。
会計ソフトが解決してくれる
会計ソフトがあれば、簡単に会計処理することができます。
特に便利なのは「クラウド会計ソフト」です。
税法改正にも対応してるので、税理士さんがついてなくても、フォーマットに沿って入力していけば、必要な書類作成ができるようになっています。
しかも最近のクラウド会計ソフトがすごい所は、スマホにも対応しておりレシートを写メしただけで、経費処理ができる!
経費の処理って、たまると面倒で、どんどん後回しになっちゃうんですよね…
その点、都度処理ができることは「時間の節約」にもなり、本業に集中できると言うことです。
苦手なこと、できないことは、必要経費として「プロに任せること」も必要です。
会計ソフトは高くない

会計ソフトって、一体いくらかかるの?
【会計ソフトfree】の場合、最低プランで月額980円(個人事業主の場合)です。
1年使っても12,000円弱。意外に手頃です。
私の昔の思考なら
節約しよう!→エクセルでオリジナル経理シートを作成→集計して確定申告!
と思ってたと思います。
でも今ならその手間が、月980円で解決できるら絶対そちらを選びます。
確定申告の集計を自分でやりましたが思った以上に大変でした…
集計作業に結構な時間がかかりました。
その点、会計ソフトは基本入力していくだけ。
日々の売上・経費管理をしていれば、自動的に確定申告の集計までできるようになっていますので
絶対的に、時間短縮できます!
「時間」はお金では買えません。
会計処理の時間はお金で解決して、空いた時間で今後の方針を考えたり、営業したりとあなたしか出来ないことをした方が将来的に考えて絶対的に有意義です。
開業届を出そう

開業届を出すことでメリットを受けれるのは、所得が38万以上の方です。
経費が2割かかったとしても、年収48万以上あれば恩恵があると言うことです。
月収で言うと2万4,000円です。
意外に少ない額でも節税のメリットを受けることができるんですよ。
せっかく努力して稼いだお金。
税金として支払うのは、できれば避けたいですよね。
私が開業届の提出をお勧めするのは、こんな考えからです。
- 開業届と青色申告控除で節税できる
- 青色申告するなら、会計ソフトが必須
- 会計ソフトは、月1000円前後から利用できる
- 節税で浮いたお金で、会計ソフト代をまかなえる
- 節税で浮いたお金で、今後のための投資できる!
- 会計ソフト導入で事務処理時間を削減
- 浮いた時間で、あなただけにしか出来ない仕事をする!
最終的には時間を確保して、売上をどう伸ばしていくか?について考える時間を作った方がよいと考えるからです。
私は会計ソフトを導入して開業届を出すことをお勧めしますが、あなたの売上や状況によっても判断は変わると思います。
メリット、デメリットを十分計算・理解した上で「開業届」「青色申告承諾診断書」を出すか判断してくださいね。
尚、提出には期限がありますので、気をつけましょう。
新たに「訪問理美容業」を始める場合、事業を始めた日から1か月以内に所轄の税務署へ「開業届」を出す必要があります。
青色申告の場合は、青色申告承認申請書もセットで出すことを忘れずに。
-
開業届を出すタイミング
- 1/1〜1/15に開業した場合 … 3/15まで提出
- 1/16以降に開業した場合 … 開業日の2ヶ月後まで
美容師の開業手続きのまとめ
開業届を出すことは基本的に必要となります。
が、罰則はありません。
あなたがいくら訪問理美容で稼ぐのか、稼ぎたいのか、経費はいくらくらいかかりそうか。
まず、ご自身でシミュレーションをしてみましょう。
このシミュレーションは、今後も美容業を経営していく上で重要な作業です。
開業届は、経営者として「経営判断」する最初の一歩なのです。
尚、税金の計算方法については、以下関連記事でも解説していますので参考にしてください。

[…] 訪問理美容師 開業するために必要なこと 税務署編 […]
[…] 別記事 訪問理美容師|開業のために必要なこと《税務署編》で詳しく書いてますので、参考にしてくだい。 […]
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