施術方法は、最終的には自分がやりやすいスタイルを確立することが一番です。
ここでは、今までやっていたパターンを紹介したいと思います。
いいとこ取りして、オリジナル施術法を作ってくださいね。
目次
成功へ導く 訪問カットの手順

施設でも、個人宅でもこのやり方をベースとしてました。
成功へ導く施術方法|施術に入る前にすること
施術に入る前に大切なことは、4つあります。
- 身だしなみ
- 挨拶
- 使用許可
- ヒアリング
まずは、身だしなみです。
介護業界では、清潔感や明るさが求められます。
逆に言うと、美容師らしい「おしゃれ感」「最先端なスタイル」などは求められていません。

- 介護業界に求められるイメージ
- 清潔感
- 明るさ、爽やかさ
- 真面目さ
服装は極力シンプルに、襟付きの方が高感度が高いです。
アクセサリー類は控えめな方がベストです。
でっかいピアス、ジャラジャラしたブレスレット…は、
訪問カットではマイナスのイメージです。
一度鏡を見て、服装に乱れがないか、客観的に印象がいいか?を確認しましょう。
どのお仕事でも挨拶は大切です。
介護の現場では、忙しいスタッフの方、耳が遠いお客様などにも認識してもらえるように
大きな声ではっきりと
「訪問カットに来ました!◯◯です!よろしくお願いします!」と挨拶しましょう。
施設では、すれ違うスタッフの方、利用者さん全員に挨拶します。
廊下では、ずっと「おはようございます」と言いながら歩いてました。
結果、訪問カットの◯◯さんは、元気な挨拶で気持ちがいいと高評価。
結果、系列の施設に紹介されてお仕事が増えました。
スタッフさんが、サロンのお客様になりました。
いつどこで、誰があなたを評価するかわかりません。
関わる方全員が未来のお客様だと思って、挨拶しましょう!
訪問カットでは、設備を借りることが多々あります。
例えば
- 駐車場
- 電源
- 水道
- 椅子、テーブル など
いつも借りている場合でも、「お借りしてもよろしいですか?」「お借りします」と必ず使用許可を取りましょう。
前はそれで良かったけど、今はルールが変わっていると言うこともありますよね。
あくまで場所を「お借りしている」ということを忘れずに!
今日のカットについて、本人、施設担当者、ご家族にヒアリングをしましょう。
その際、誰がキーマンか確認した上でヒアリングします。
最終的なOKを誰がするのか、と言うことです。
- 長さや色
- スタイル
- 困っている点(改善策を提案)
- 体調
- 施術時間
体調面を確認することは特に大切です。
施術可能な時間が限られたり、事故を防ぐ目的もあります。
今日もお変わりないですか?と一言声をかけてから、施術に入るようにしましょう。
成功へ導く施術方法|カットの手順
ここからは、具体的な施術の流れについて説明します。
まずは、カットする場所を整えます。
ブルーシートなどで、床を養生しましょう。
施術中ずれないように貼ってはがせる「養生テープ」で固定するとやりやすいです。
テープを使用するときは、必ず施設担当者やご家族へ了解を取りましょう。
ドライヤー、鏡、タオル、バリカン…etc、使いやすいように並べましょう。
お客様が座る椅子については、お借りできる場合がほとんどです。
できれば肘掛があるタイプを借りれると、お客様が安定して座れます。
施術中、上履きを履きましょう。
毛が散らからないよう、シートの上だけ履きましょう。
シート以外で履くときは、毛を綺麗に取り除いてから履きましょう。
どんな風にカットするのかヒアリングをしましょう。
ここで大切なのは「誰に」ヒアリングをするか?です。
認知症の方はトラブル防止のためにも、必ずご家族や施設担当者に施術内容を確認しましょう。
また、その施設・病院によって、方針が違います。
どのような患者さんがいて、どのような方針なのか、よく担当者から話を聞き、情報取集をしておきましょう。
髪を濡らし、カットし始めます。
施術中も、お客様、ご家族、施設担当者へ「このような感じでいいですか?」とコミュニケーションを取りながら、施術します。
よく言われるのが「スッキリ」してほしい、という要望です。
特に衿足から耳周りについては、気をつけてカットしていました。
施設担当者もご家族も、「衿足」や「耳周り」を見て、カットされているかを判断するからです。
「切った感」がしっかり伝わるように、意識しましょう。
訪問カットの場合は、シャンプーしない場合も多いです。
よって、切った髪を落とす作業が必要です。
いわゆる「早床」と言われるチェーン店などでは、掃除機を繋げ、毛を吸い込むタイプを使ってますよね。
吸い込みタイプもいいと思うのですが、一度に複数名施術する場合、何台掃除機を持っていけばいいのか…となります。
一番手軽で簡単なのは、ドライヤーで飛ばすこと。
結構綺麗になりますよ。
ただカットするだけではなく、セットしてあげましょう。
サロンの雰囲気を味わってもらうのです。
施設によっては、セット剤をつけることを嫌がる場合もありますので、確認してからセットしましょう。
特に女性は、セットするだけで表情がキラキラします。
訪問理美容師としての喜びを感じられるシーンです。
訪問カットで評価されるポイントの一つ、それは 後片付けです。
施設担当者やご家族の手を煩わせないことが喜ばれます。
服や体についた髪の毛が残ってないか、床や家具・備品に髪の毛がついてないか。
ここまでやるの?と思われるくらい大げさに掃除しましょう。
手を抜くと、「片付けが汚い」と一気にクレームになります。
やりすぎて損はありません。
最後に会計をします。
今回の施術について、施設担当者やご家族に伝えたいことがあれば、ここで説明することもできます。
- 今日の◯◯さんのカット、こんな点に注意してやりました(補足説明)
- 生え癖の関係で、どうしてもこのスタイルはハネが気になります
- 気になる点があれば、連絡ください など
また、可能であれば次回の予約も取り付けましょう。
忘れないように、カレンダーに書かせてもらうのもいいですね。
日程が決まらなくても、営業チラシを置いていくなど、次の予約につなげる足跡を残していくことも大切です。
訪問理美容 成功へ導く考え方

訪問理美容の現場は、サロンとは環境がまったく違います。
場所はもちろん、お客様の健康状況、施設担当者やご家族との関係など、サロンでは気づかう必要のなかった点が重要視されます。
サロンワークと同じようにやればいいんだよね?と思っているのでは、成功は難しいです。
全く未知の仕事を始めると思って、スタートしましょう。
特に重要なポイントは、
- 場所を借りていることへの気遣い
- 要望を確認する相手を間違えない
- サロンで施術しているように感じる工夫
- お客様を素敵にする!という気持ち
- 必要な道具を使いことなす
です。
ここができるか、できないかで結果は大きく変わるります。
道具については、以下リンクにもまとめてます。



訪問理美容 施術成功の鍵は

お客様ご自身の要望ももちろん大切ですが、成功の鍵を握っているのはご家族や施設担当者です。
施設・お客様によって、要望するものが違いますのでよくコミュニケーションをとり、何を求めているのかヒアリングをしましょう。
- ご本人に施術内容を伺っていいのか
- 施設担当者(ご家族)に主導権があるのか
- どんな施術を求めているのか
を把握できれば、あとはあなたの技術でお客様をステキにするだけです。
気を付けるポイントは小さいけれど、一つ一つ積み上げることで評価は変わってきます。
あなたの技術が評価されるように、地味な作業も手を抜かないようにしましょう。